高度専門職1号(ロ)ビザ(企業向け解説)
実務上、企業様から、
「当初は『技術・人文知識・国際業務(いわゆる技人国)』ビザか『転勤」ビザを想定していましたが、
本人から『高度専門職ビザで申請したい』と言われています。」「内定した外国人の就労ビザを、できるだけ早く取得したい」
「なるべく長い期間の就労ビザを取りたい」
といったご相談をいただくことが多くあります。

このような場合、技術・人文知識・国際業務ビザ(以下「技人国」)や企業内転勤ビザなど、いわゆる「就労系ビザ」の要件を満たしていることを前提として、
一定の条件(ポイント)を満たす場合に、入管制度上のメリットを受けられる
「高度専門職ビザ(1号ロ)」を選択できる可能性があります。
ただし、
ポイントが70点以上あっても
高度専門職の優遇措置に魅力があっても
ベースとなる就労ビザが成立しない場合には、高度専門職としての許可を受けることはできません。
一方で、
ベースとなる就労ビザの要件を満たしており、
ポイント計算上も条件を満たす場合には、
在留期間「5年」の一律付与
入管手続の優先処理
親の呼び寄せに関する優遇
永住許可に関する優遇
といった、これまでの「技人国」ビザでにおいて、上場企業や大手中小企業での採用でしか得られなかったメリットに加えて、高度専門職ビザならではのメリットを受けることができます。
もっとも、
高度専門職ビザの取得可能性がある場合であっても、会社の規模や申請時期、個別の状況によっては、通常の「技人国」ビザでも同様の実務上のメリットを享受できるケースや、「技人国」ビザの方が適しているケースもあります。
本ページでは、
企業様が外国人材を採用する立場として、高度専門職1号(ロ)ビザを選択すべきか、それとも通常の就労ビザで十分かを判断するための視点を中心に、実務上の取扱いを整理してご説明します。
高度専門職1号(ロ)ビザと「技術・人文知識・国際業務」ビザや「企業内転勤」ビザとの関係
高度専門職1号(ロ)ビザは、「技術・人文知識・国際業務」ビザ(以下「技人国」)や「企業内転勤」ビザとはまったく別に存在する在留資格のように見えますが、実務上は密接に関係しています。
高度専門職1号(ロ)ビザは、技人国ビザや企業内転勤ビザなど、いわゆる就労系ビザの要件を満たすことを前提として、さらに一定の条件(学歴・職歴・年収などの各項目ごとのポイントの合計70ポイント以上)を満たす場合に選択できる在留資格です。
そのため、実務上は、
技人国ビザとしての要件を満たしているかまたは
企業内転勤ビザとして成立するか
といった点を確認したうえで、
高度専門職として申請するか、通常の就労ビザ(技人国ビザや企業内転勤ビザ)で申請するかを判断する流れとなります。
実務上よくある申請パターン
企業様からのご相談では、
次のような判断が必要となるケースが多くあります。
技人国ビザ(または企業内転勤ビザ)として問題なく成立し、
高度専門職ポイントも満たしているため、外国人材の希望どおり、高度専門職として申請するケース高度専門職としてのポイントは満たしているものの、
ベースとなる就労ビザ要件の整理が必要なケースポイントは満たしているが、
実務上は通常の技人国ビザで申請した方が合理的なケース
このように、
ポイント計算の結果だけで機械的に高度専門職を選択するのではなく、
採用形態・会社の状況・今後の在留計画を踏まえて
どの在留資格が適切かを検討することが重要となります。
「高度専門職でなければならない」わけではありません
高度専門職ビザには、
在留期間や永住許可に関する優遇措置などのメリットがありますが、
すべてのケースにおいて
高度専門職ビザが最適とは限りません。
会社の規模や申請時期によっては、
技人国ビザであっても、比較的短期間で許可が出るケース
初回から長めの在留期間が付与されるケース
もあり、
あえて高度専門職ビザを選択しない方が実務上スムーズな場合もあります。
高度専門職1号(ロ)ビザが検討される主なケース
実務上、企業様が外国人IT人材・専門人材を採用する場面では、
次のようなケースにおいて、高度専門職1号(ロ)ビザが検討されることが多くあります。
ケース①
内定した外国人材が、ポイント計算上70点以上を満たしている場合
学歴・職歴・年収・年齢・日本語能力などを総合的に評価した結果、
高度専門職のポイントが70点以上となる場合には、
通常の「技術・人文知識・国際業務」ビザや「企業内転勤」ビザに加えて、
高度専門職1号(ロ)ビザを選択肢として検討することが可能となります。
特に、
修士号以上を取得している方
年収が比較的高い
日本の大学を卒業している
日本語能力試験N1・N2を取得している
- 若い方(〜39歳)
といった要素がある場合には、
中小企業での採用であっても、高度専門職として成立するケースがあります。
ケース②
就労ビザをできるだけ早く取得したい事情がある場合
高度専門職ビザは、
入国管理局において優先処理の対象とされているため、
通常の就労ビザと比べて、審査期間が短くなる傾向があります。
例えば、
プロジェクト開始時期が決まっている
早期に来日・就労開始が必要
採用スケジュールに余裕がない
といった事情がある場合には、高度専門職ビザが実務上有効な選択肢となることがあります。
ただし、近年は、
高度専門職ビザの申請件数が大幅に増加していることに加え、ポイント計算の誤りや、立証資料の不備がある申請も多く見受けられることから、全体的に、高度専門職ビザの審査期間が長引く傾向にあります。
そのため、
企業の規模や申請内容によっては、
通常の「技術・人文知識・国際業務」ビザで申請した方が、
結果として審査が早く終了するケースもあります。
「早く取得したい」という目的から高度専門職ビザを検討する場合には、必ずしも形式的な優先処理だけで判断するのではなく、
会社の状況や申請内容を踏まえた上で、どの在留資格で申請するのが最も確実かを検討することが重要です。
ケース③
高度専門職ビザでは、一般的な中小企業での採用であっても、法律上最長である 在留期間「5年」 が一律に付与されます。(通常、中小企業による採用の場合、初回は1年または最長で3年のビザになります。)
そのため、
長期的な雇用を前提としている
ビザ更新手続きの頻度を減らしたい
外国人本人の生活面の安定を重視したい
といった場合には、高度専門職ビザを選択するメリットがあります。
また、実務上、企業様からは、
「将来的には長期雇用を考えているものの、業務適性や社内との相性を見極めるため、最初は半年〜1年程度の契約から始めたい」
というご相談をいただくことも少なくありません。
このような場合、通常の「技術・人文知識・国際業務」ビザでは、契約期間に応じて 1年程度の在留期間 が付与されることが多く、
その後、長期雇用に切り替える際には、改めて 在留期間更新許可申請 が必要となります。
一方で、高度専門職ビザの場合には、初回の契約期間が短期間であっても、
原則として在留期間「5年」が付与されるため、その後の契約更新に合わせて細かなビザ更新手続きを行う必要がありません。
この点は、
採用後の運用負担を軽減したい企業様
形式的な更新手続きを極力減らしたい場合
において、実務上のメリットとなるケースがあります。
ケース④
将来的に永住申請を視野に入れている外国人材の場合
高度専門職としての在留期間は、永住許可申請において、在留年数要件の緩和対象となります。
そのため、
外国人本人が長期的な日本定住を希望している
将来的に永住申請を検討している
といった場合には、高度専門職ビザを選択することで、将来の在留資格設計がしやすくなるケースがあります。
一方で、実務上は、
「高度専門職ビザを取得していなくても」、技術・人文知識・国際業務ビザや企業内転勤ビザで在留している外国人材が、
永住許可申請時にポイント計算を行い、高度専門職相当(70点以上・80点以上)と認められる場合には、同様に在留年数要件の緩和を受けることが可能です。
この場合、
高度専門職ビザを取得している場合と比べると、永住申請時におけるポイント立証や資料準備の手間は増えますが、制度上のメリット自体は同じです。
そのため、
高度専門職ビザ取得のためのポイント立証に時間がかかる
学歴・職歴・資格等の評価に不確定要素が多い
できるだけ早く就労を開始させたい
- 会社の規模や申請実績等から、「3年」以上の在留期間が見込まれる
(※永住許可申請には、原則として「3年以上の在留期間」を有していることが必要です)
といった事情がある場合には、
あえて高度専門職ビザを選択せず、まずは「技術・人文知識・国際業務」ビザ等で就労を開始し、将来的に永住申請時点でポイント評価を行う方が、企業にとって合理的なケースもあります。
高度専門職ビザは、永住許可申請を見据えた有力な選択肢の一つではありますが、必ずしも最初から取得しなければならないものではありません。
採用スケジュール、立証資料の整備状況、外国人材本人の将来設計などを踏まえ、個別に検討することが重要です。
ケース⑤
家族帯同や親の呼び寄せに関する事情がある場合
高度専門職ビザでは、一定の条件を満たすことで、
配偶者の就労
親の帯同
といった、通常の就労ビザでは認められていない優遇措置を利用できる場合があります。
外国人材の家庭状況やライフステージによっては、これらの点が高度専門職を検討する理由となることもあります。
ケース⑥
高度専門職ビザそのものを「ステータス」として希望される場合(企業内転勤との比較)
実務上、外国人材の中には、
「高度専門職ビザを持っていること自体に価値やステータスを感じている」
という理由から、高度専門職ビザでの申請を強く希望されるケースもあります。
特に、企業カテゴリー2に該当する会社の2〜3年程度の海外親会社等からの転勤で、企業内転勤ビザによる来日が可能なケースにおいて、
次のようなご相談を受けることがあります。
「企業内転勤でも問題ないが、外国人材が高度専門職での申請を希望している」
「キャリア上、高度専門職ビザを持っておきたい」
しかしながら、実務上は、
カテゴリー1や2の会社による企業内転勤ビザでは、初回から3年以上(3年・5年)の在留期間が付与されることも多く、
就労・在留の安定性という点では、すでに十分な条件が整っているケースが少なくありません。
このような場合、
在留期間の長さ
就労の安定性
更新手続きの頻度
といった観点では、
高度専門職ビザに切り替えることによる実質的なメリットは限定的となります。
一方で、高度専門職ビザでの申請では、
ポイント計算の正確な立証
学歴・職歴・資格等に関する追加資料
審査期間の長期化リスク
が生じることもあり、企業側の実務負担が増えるケースもあります。
そのため、外国人材本人の希望として「高度専門職ビザを取得したい」という意向がある場合であっても、
すでに安定した在留期間が見込めるか
企業側の採用・配置・契約計画に影響がないか
制度上、合理的な選択か
といった点を踏まえ、企業としては、必ずしも高度専門職ビザにこだわる必要はありません。
高度専門職ビザは、「ステータス」ではなく、制度上のメリットが実務に適合する場合に選択すべき在留資格であり、
ケースによっては、企業内転勤ビザや技術・人文知識・国際業務ビザの方が合理的な選択となることもあります。
すべてのケースで共通する重要な前提
繰り返しとなりますが、上記のいずれのケースにおいても、
高度専門職ビザは単独で成立するものではなく、
必ずベースとなる就労ビザ(技人国・企業内転勤等)の要件を満たしていることが前提となります。
また、ポイントが70点以上ある場合であっても、採用形態や企業の状況、申請時期によっては、通常の就労ビザの方が適切なケースもあります。
企業様としての実務上の考え方
そのため、実務上は、
「高度専門職でなければならないか」
「通常の就労ビザで十分か」
「どちらで申請するのがリスクが低いか」
といった視点で、個別に検討することが重要となります
高度専門職1号(ロ)ビザのメリット・デメリットについて
高度専門職ビザでの申請を検討する際には、高度専門職ビザのメリットについての整理が必要です。
高度専門職1号(ロ)ビザの主なメリット
1.入国・在留手続の優先処理(審査期間が短い)
高度人材外国人に対する入国・在留審査は,優先的に早期処理が行われます。ビジネスにおいて早急な対応が可能となります。
元々、上場企業等の従業員様については、早い審査がなされるところ、高度専門職ビザでは、中小企業の従業員様についても同様の優遇措置が得られます。
【海外からの呼び寄せに係る日本の入国管理局での実務上の審査期間の平均値】
*弊所による東京出入国在留管理局への申請での平均値になりますので、案件により、これより早い場合や遅い場合があります。
- 一般的な中小企業様による採用で「技術・人文・国際」ビザでの申請: 申請日から1ヶ月〜3ヶ月程度
- 上場企業など一定規模の企業による採用で「技術・人文・国際」ビザでの申請: 申請日から2週間〜5週間程度
- 「高度専門職」ビザでの申請: 申請日から2週間〜5週間程度
2.在留期間「5年」の付与
高度人材外国人に対しては,法律上の最長の在留期間である「5年」が一律に付与されます。
*在留期間「5年」は、通常、初めての就労ビザの場合は、上場企業や一定の規模の会社に所属しないと与えられません。
(ただし、上場企業や一定の規模の会社の従業員様でも必ずしも5年のビザを得られるとは限りません。)
しかし、高度人材については、中小企業に所属する従業員様でも、法律上最長の「5年」の在留期間が一律に決定されますので、ビザ更新手続きの回数(費用・時間)を減らすことができるというメリットがあります。
3.一定の条件の下での親の帯同
現在の入管制度では,原則、外国人の親の受入れは認められません。
しかし、高度人材外国人の場合、お子様がまだ小さいなど、一定の要件を満たす場合に、高度人材外国人又はその配偶者の親(養親を含みます。)の入国・在留が認められます。これは、永住ビザにもない、高度専門職ビザだけのメリットです。
高度人材の親を帯同できる主な要件
| ① | 高度人材外国人又はその配偶者の7歳未満の子(養子を含みます。)を養育すること または |
| ② | 高度人材外国人の世帯年収※が800万円以上であること ※高度人材外国人本人とその配偶者の年収を合算したものをいいます。 |
| ③ | 高度人材外国人と同居すること |
| ④ | 高度人材外国人又はその配偶者のどちらかの親に限ること |
4.その他のメリット
上記以外にも高度専門職の方には、
・在留歴に係る永住許可要件の緩和
永住許可を受けるためには,原則として引き続き10年以上日本に在留していることが必要ですが,高度外国人材としての活動を引き続き3年間行っている場合や,高度外国人材の中でも特に高度と認められる方(80点以上の方)については,高度外国人材としての活動を引き続き1年間行っている場合に永住許可の対象となります。
・配偶者の就労
配偶者としての在留資格をもって在留する外国人が,在留資格「教育」,「技術・人文知識・国際業務」などに該当する活動を行おうとする場合には,通常、学歴・職歴などの一定の要件を満たし,これらの在留資格を取得する必要がありますが,高度外国人材の配偶者の場合は,学歴・職歴などの要件を満たさない場合でも,これらの在留資格に該当する活動を行うことができます。
・複合的な在留活動の許容
通常,外国人の方は,許可された1つの在留資格で認められている活動しかできませんが,高度外国人材は,例えば,システム開発業務と併せて関連するベンチャー事業を経営する活動を行うなど複数の在留資格にまたがるような活動を行うことができます。
・ 一定の条件の下での家事使用人の帯同
外国人の家事使用人の雇用は,在留資格「経営・管理」,「法律・会計業務」等で在留する一部の外国人に対してのみ認められるところ,高度外国人材については,一定の要件の下で,外国人の家事使用人を帯同することが認められます。
| 主な要件 | |
| 1 | 外国で雇用していた家事使用人を引き続き雇用する場合の条件(入国帯同型) |
| |
| 2 | 1以外の家事使用人を雇用する場合(家庭事情型) |
| |
などの優遇措置があります。
高度専門職1号(ロ)ビザの注意点(デメリット・誤解されやすい点)
注意点①
「ポイントが70点以上あれば必ず取得できる」わけではありません
高度専門職ビザは、ポイント計算表において70点以上を満たしていることが必要ですが、それだけで許可されるものではありません。
あくまで、
技術・人文知識・国際業務ビザ
企業内転勤ビザ
その他、ベースとなる就労ビザ
といった基礎となる在留資格の要件を満たしていることが前提となります。
そのため、
ポイントは足りているが
学歴・職歴と業務内容の関連性が弱い
契約内容や職務内容が不明確
といった場合には、高度専門職としての許可を受けることはできません。
また、**通訳・翻訳等の「国際業務」**については、
外国人であることによる一定水準以上の感性や思考を必要とする業務を行う方に与えられる在留資格であり、
その「高度性」をポイント制度により客観的に評価することが難しい分野とされています。
このため、通訳業務等の国際業務は、原則として高度専門職1号(ロ)で認められる職務内容には該当しない
とされています。
ただし、
当該業務に学術上の専門知識の必要性が認められる場合には、この限りではありません。
注意点②
ポイント計算の「自己判断」は誤りが多い
実務上、高度専門職ビザを希望される外国人材の方が、ご自身でポイント計算を行っているケースは多くあります。
しかし、
学歴の評価方法
実務経験年数のカウント方法
資格・試験の取扱い
年収の評価時点
などについて、誤った前提で計算されているケースが少なくありません。
ポイント計算の誤りや、立証資料の不足があるまま申請した場合、
審査が長期化したり、追加資料の提出を求められたりする可能性があります。
注意点③
転職の際には、事前にビザの変更が必要です
高度専門職ビザの普及により、近年、高度専門職ビザをお持ちの外国人材の転職が増えてきています。
高度専門職ビザは、
上場企業や一定以上の規模の会社に所属していなければ得られないような在留期間や審査スピード等のメリットを、
外国人本人の学歴・職歴・年収等の要件によって受けることができるビザです。
一方で、高度専門職ビザのポイント計算には、
取得時の給与額
所属機関の研究開発費の割合
中小企業であること
国からの認定や補助金等の支援措置を受けていること
など、
「その会社で就労していること」を前提とした加算項目が含まれています。
そのため、高度専門職ビザは、
原則として「ビザを取得した時の会社でのみ就労できる」在留資格
という制度設計になっています。
この結果、
高度専門職ビザをお持ちの外国人材を転職で雇用する場合には、
事前に、
高度専門職(前職)から高度専門職(新しい就職先)への
在留資格変更許可を受ける必要があります。
一方、
技術・人文知識・国際業務(技人国)ビザの場合には、
在留資格で認められている業務範囲内での転職であれば、
転職時に入国管理局への届出を行うことで足り、
次回の在留期間更新時に、転職後の職務内容等について審査が行われます。
この点においては、
手続きの柔軟性という観点では、
技人国ビザの方が外国人材にとってメリットがある
と言えるケースもあります。
注意点④
副業・兼業は自由にできるわけではありません
高度専門職ビザは、「理系・文系大学卒業レベルの知識・技術を要する業務」を幅広くカバーする在留資格ですが、
就労先が無制限に認められているわけではありません。
原則として、
許可を受けた勤務先以外で就労を行う場合や、副業・兼業を行う場合には、
事前に「資格外活動許可」を取得する必要があります。
この点については、
高度専門職ビザをすでに有している外国人材であっても同様です。
実務上、企業様から、
すでに高度専門職ビザを持っている外国人材に
副業的に業務委託で業務を依頼したい
といったご相談を受けることがありますが、
その際に、その外国人材が、
「高度専門職は、技術・人文知識・国際業務ビザの上位互換だから、
何でも自由に働ける」という誤解
をされているケースも少なくありません。
しかしながら、
高度専門職ビザであっても、
許可を受けた活動内容・就労先を超えて自由に就労できるわけではなく、
無許可での副業や兼業は、在留資格上の問題となる可能性があります。
企業として外国人材を受け入れる際には、副業・兼業の可否についても、
事前に在留資格上の整理を行うことが重要です。
注意点⑤
高度専門職が常に最適解とは限りません
高度専門職ビザは、
制度上の優遇が多い反面、
立証資料の準備に時間がかかる
提出した立証資料の内容やポイント制度への理解不足により、審査が長期化する可能性がある
企業側の実務負担が増える
といった側面もあります。
特に、
早期の就労開始を優先したい場合
会社のカテゴリーによって通常ビザでも十分な優遇が得られる場合
ポイント評価に不確定要素が多い場合
には、
あえて高度専門職を選択しない方が合理的なケースもあります。
企業として重要な視点
高度専門職ビザは、「取得できるから選ぶ」ものではなく、企業の採用計画・雇用形態・将来設計に合っているかという視点で検討すべき在留資格です。
実務上は、
高度専門職ビザが適しているケース
通常の就労ビザの方が、結果として合理的なケース
の いずれも存在します。
高度専門職ビザは有力な選択肢の一つではありますが、採用形態や業務内容、会社の状況によっては、通常の「技術・人文知識・国際業務」ビザや「企業内転勤」ビザで十分なケースも少なくありません。
技術・人文知識・国際業務ビザや企業内転勤ビザにおける要件や実務上の取扱いについては、下記ページにて企業様向けに詳しくご説明しています。
▶ 技術・人文知識・国際業務(いわゆる「ギジンコク」)ビザについて詳しくはこちら
▶ 企業内転勤ビザについて詳しくはこちら
高度専門職1号(ロ)ビザと技術・人文知識・国際業務ビザの実務的な選び方(まとめ)
高度専門職1号(ロ)ビザは、在留期間・審査スピード・永住許可への優遇など、確かに多くのメリットを持つ在留資格です。
一方で、
すべての外国人採用において、高度専門職ビザが最適とは限りません。
企業としては、
「高度専門職が取れるかどうか」ではなく、「どの在留資格が、その採用・雇用形態に最も合理的か」
という視点で検討することが重要です。
高度専門職1号(ロ)ビザが向いている主なケース
次のような事情がある場合には、
高度専門職ビザが有効な選択肢となることがあります。
就労開始時期が決まっており、できるだけ早くビザを取得したい
初回から長期(5年)の在留期間を確保したい
外国人本人が将来的に永住許可申請を強く希望している
ポイント計算・立証資料の準備に大きな不確定要素がない
転職や副業の制限について、本人・企業双方が理解している
技術・人文知識・国際業務ビザ(いわゆるギジンコク)が合理的なケース
一方で、次のような場合には、
通常の就労ビザの方が実務上適しているケースも多くあります。
学歴・職歴・資格の立証や評価が難しい場合
高度専門職ポイントの認定に時間がかかり、審査長期化のリスクがある
将来的な転職や配置転換の可能性を残しておきたい
副業・兼業の柔軟性を重視したい
カテゴリー2企業での採用や転勤(3年以上の在留が見込める)
高度専門職という「ステータス」よりも、その必要性や実務での安定性を重視したい
実務上よくある誤解について
「ポイントが70点あれば必ず高度専門職が取れる」
「高度専門職はギジンコクの上位互換だから転職や副業も自由」
「永住を考えるなら最初から高度専門職一択」
これらはいずれも、
実務上は正確ではありません。
在留資格は、
外国人本人の希望だけでなく、
雇用形態・業務内容・会社の状況・将来の人事計画を踏まえて
設計する必要があります。
最後に(企業様へ)
高度専門職1号(ロ)ビザは、非常に有用な制度である一方、使いどころを誤ると、かえって手続きや運用が煩雑になるという側面もあります。
高度専門職で進めるべきか
通常の就労ビザで十分か
将来の永住申請まで見据えた場合、どのルートが最適か
これらは、ケースごとに結論が異なります。
外国人材の採用を前提とした段階で、在留資格の選択に迷われた場合には、内定を出す前の段階で一度整理されることをお勧めします。
高度専門職1号(ロ)ビザでの申請をご検討中の企業様へ
一方で、実務上は、
・高度専門職ビザで進めるべきケース
・通常の技術・人文知識・国際業務ビザ等で十分なケース
があり、採用形態・業務内容・会社の状況によって最適な選択は異なります。
すでに高度専門職ビザでの申請をご検討されている場合であっても、申請の進め方や立証方法によっては、審査期間や手続きの負担に差が生じることがあります。
外国人材の採用にあたり、高度専門職ビザでの申請可否や、他の就労ビザとの比較を含めて検討されたい場合には、企業様向けに個別にご相談を承っております。
高度専門職1号(ロ)ビザの取得には、次の①及び②の要件の両方を満たすことが必要です。
| ① | 次の⑴〜⑷の要件を全て満たすこと ⑴「理系・文系大学卒業レベルの専門知識・技術を要する仕事」をするためのベースとなるビザの要件を満たすこと。(ベースとなるビザは、主に、「技術・人文・国際」ビザ、「企業内転勤」ビザとなりますが、これらに限りません。(例)法律・会計ビザなど)*ただし、原則的に職務内容が国際業務の場合を除きます。 (例)ベースとなる就労ビザが、「技術・人文・国際」ビザ、または「企業内転勤」ビザの場合 ⑵次のいずれかを満たすこと ・業務に関連する理系又は文系大学(短大・高専・大学院含む)卒業 ・日本の専門学校を卒業した「専門士」又は「高度専門士」 ・業務に関連する10年の実務経験 ・(海外からの転勤の場合)直前1年以上、呼び寄せる日本企業の海外の本店、支店、関連会社で「技術・人文知識ビザ」にあてはまる仕事をしていたこと。 (3)日本にある機関(一般的には会社)と契約を結ぶこと (4)日本人と同様の給与水準(かつ年収300万円以上)であること |
| ② | ①の要件を満たした上で、ポイント計算表で、学歴・職歴・年収などの各項目ごとにポイントをつけ、その合計が一定の点数(70点)を超えること。 |

港区・千代田区・渋谷区・新宿区・中央区の高度専門職(高度人材)ビザの申請は、C. S. AND P. 行政書士事務所にご依頼ください。
| ビザの許可は、日本人の雇用の確保、経済状況、治安維持、世界情勢など、様々な要素に柔軟に対応すために、一般的な許認可とは異なり、入国管理局に大きく裁量が与えられています。 そのため、申請につきましては、法務省のホームページに記載されている書類だけでは足りずに、追加資料を求められます。 ビザに関する審査はその申請書類をもとに行われるため、外国人と呼び寄せる企業とに関する情報を、申請書に添付する「理由書や事業計画書、その他の書類」で積極的にアピールすることが必要で、その書類の内容により、許可の可否や、在留期間といった結果が変わることがあります。 しかし、アピールすべきポイントが外れていては残念ながら無駄に終わる可能性もあります。 そのため、ビザの申請については、当事務所に依頼いただくことで、審査にかかる期間、許可の可否、在留期間などの点から、お客様の利益に貢献できると考えています。 お問い合わせ・ご質問は、お問い合わせフォームまたはお電話にて受け付けておりますのでお気軽にご連絡いただけますと幸いです。 お電話でのお問い合わせ:03-6759-9295 営業時間:平日10:00~18:00(土・日・祝日休業) |
